私たちの考え
2001年3月e-Japan戦略が具体化され、ネットワーク社会実現のため、日本のほとんどの地域でブロードバンドが利用できるようになりました。現在では、皆様のご家庭や会社でもADSLや光ファイバーを導入していることと思います。さらに、各地で行われたIT講習により、パソコンとは無縁であった人たちもパソコンに触れるきっかけになりました。世帯普及率とインターネット利用率が上昇したのはこれが理由でしょう。これからは一家に一台というよりむしろ一人一台の時代になるのではないでしょうか。
中小企業・SOHOであっても、パソコンが複数台あり、LAN環境が構築されているのが今は当たり前のようになってきました。ただ問題があります。私はお客様を直接訪問したり、商工会連合会のエキスパート派遣制度や企業活性化センターの専門家派遣制度を通じて、事業所の指導やアドバイスをする機会があるのですが、経営者のお話を聞くと、コンピューターやネットワークは整備したものの、活用できていないケースが非常に多いような気がします。
情報収集の名の下にホームページを閲覧することも、社内外の文書が手書きからワープロに変わったことも、ただ余計な仕事を増やしただけではありませんか。IT導入によってメリットがあったのは、実は貴社ではなくPC納入業者ではありませんか。先日、ホームページの作成に100万かけ、更新に月3万かけている社長さんのお話を聞きました。ホームページを拝見させて頂いたら、確かに100万円の価値のありそうな作品でした。デザイン会社が作成したらしく、画像がふんだんに使われているサイトです。アクセスは1日10件程度、当然効果もあがっていません。見た目重視でテキストが少なく、検索エンジンがインデックス化していないようでした。世界の名画を無料で公開しているのと同じです。更新の外注も、自らユーザーとの接点を放棄しているようなものです。デザイン会社は受注できて満足、その社長も美しいサイトが入手できて満足…ある意味WIN-WINに感じますが、これが本当の意味でIT活用なのでしょうか。デザイン会社は、ホームページが効果をあげなくても関係ないのです。
私はホームページを、当然の事ながらマーケティングツールの一つと考え、また一人の営業マンと考えています。ECサイトの場合はそのまま店舗ですので、当然集客するための戦略を練り、新規顧客の獲得、リピーター化を図る必要があります。ホームページは決して既存の広告に変わるものではありません。業態によってはチラシとホームページ、TVCMとホームページなどの連動も考えなければなりません。またインターネット上のアドワーズ広告やアフィリエイト広告も、とても有効な手段だと私は考えています。
先に、IT導入によって余計な仕事が増えた話と、効果の上がらないホームページに多額の予算を投入する企業の話をさせて頂きましたが、これらの企業様は少なからず現状の問題点に気づいていました。恐らくほとんどの経営者は自社が抱える問題にすら気づいていないと思います。そういう経営者に限って、IT活用というとすぐ「お金が無い」、「時間が無い」、「ITスキルのある人材がいない」という言葉を口にします。
例えばパソコン1台とインターネット契約があってホコリをかぶっている会社があるとします。このインターネット契約にIP電話契約を付加するだけで、月々の通話料がダウンします。県外によく電話をする事業所ほどお金は浮くはずです。次に毎月の支払いにオンラインバンキングを使ってみましょう。銀行のホームページ上で振込みをすれば、あのごったがえす月末の銀行に行かなくても済みます。銀行が集金に来る場合でも、御用聞きの銀行マンと世間話する時間が省けます。場合によっては振込手数料が安くなりますので、コストダウンにもつながります。あと最近ではブログで情報収集する社長も多いのですが、これも思い切ってやめてしまいましょう。よく見るブログをRSSリーダーに巡回させるのです。これを使うと、更新されたページだけを効率よくチェックすることができます。リンクをたどっていったら、興味のあるスポーツや芸能の記事にたどり着き、気がついたら1時間以上たっていたということがよくあるはずです。
時給の高い社長の時間はもっと有効に使いましょう。仮にこれらを実践したら年間10万円浮いたとします。これをネットワークカメラの購入に充当すると、遠くの工事現場や店舗を遠隔監視することができるようになります。従来は高価な専用線と機材でしか対応できませんでしたが、現在ではこの程度のイニシャルコストで利用できます。しかもインターネット契約が既にあるのであれば、ランニングコストは基本的に変わりません。つまりコストダウンで生まれた予算を、防犯等のリスク管理にもまわせるのです。浮いた金額が月4、5千円程度であれば既存のホームページをドメインを取得してホスティングサーバに移行するとか、月5万円捻出できたらショッピングモールに出店するなど、いろいろな考えが生まれると思います。
このような戦略こそ我々インフォミディアリの提案なのです。発想の転換から、相乗効果でビジネスのスピードを加速させる。タマゴが先かニワトリが先かの話ではないですが、下の図のように、ITの活用を先に考えるか後に考えるかによって、ビジネスの未来は明らかに変わってきます。ここでいう「IT活用」は、イコール「IT投資」という意味ではありません。最低限パソコン1台とインターネット契約さえあれば、これを本当の意味で活用していくのです。ITを経営革新に生かしましょう。
弊社では常に「Strategy(戦略)」、「Technology(技術)」を洗練させています。必ずや、お客様のお役に立てることと確信しております。スピードアップしたマーケットの中でもお客様を敗者にしない、弊社とお客様の間にWIN-WINの関係を構築する、これこそが社会から我々に与えられた使命と考え、ビジネスをする上での大原則に定めたいと思っております。