SNS活用とジョハリの窓

ジョハリの窓とは

「ジョハリの窓」とは、心理学者ジョセフ・ルフトとハリー・インガムが発表した、自己の公開とコミュニケーションの円滑な進め方について考えられたモデルです。

開放の窓(open self)

「公開された自己」自分に分かっている・他人に分かっている

盲点の窓(blind self)

「自分は気がついていないものの、他人からは見られている自己」自分に分かっていない・他人に分かっている

秘密の窓(hidden self)

「隠された自己」自分に分かっている・他人に分かっていない

未知の窓(unknown self)

「誰からもまだ知られていない自己」自分に分かっていない・他人に分かっていない

 敵を知り、己を知らば百戦危うからず

SNS(Social Networking Service)についてお話すると、必ず「何が楽しくて自分の情報を外部に公開するの?」「個人情報を知られるのが怖い」のような事を言われます。ビジネスはコミュニケーションの上に成り立っています。コミュニケーションが円滑になれば、効率良くビジネスが出来るというものです。自分が住んでいる町内の肉屋さんに買い物に行ったことを想像してください。同じ町内だからという理由でそのお店に行くわけですが、肉屋さんの親方の人となりを知っていれば、行きやすくなりますよね。個人的なつきあいがあれば、他のお店に浮気することもありませんよね。さらに仲が良ければおまけしてくれるかもしれません。逆に肉屋さんの立場で考えてみましょう。お客さんの家族構成を知っていれば、適正な肉の量を提案できます。お客様の誕生日を知っていれば、ワンランク上のすき焼き肉が提案できます。知ってもらうこと、そして知ることがコミュニケーションを円滑にするのです。孫子の兵法でも「敵を知りを知らば百戦危うからず」と言います。知ってもらうこと、そして知ることを意識しましょう。

今かけている広告宣伝費、それでいいですか?

中心市街地が衰退し、商店街から郊外の大手スーパーにお客様が流れていくという現状が全国的にあります。大手スーパーは多額の予算を使い、メディアを用いたコミュニケーションを行なっています。実際にヒアリングしてみると、商店街でも個別に折込チラシを入れてるよと言われますが、大手とは広告宣伝費の額が違います。同じやり方で太刀打ちできるわけがありません。また集客のためのイベントを定期的に行なっているところもありますが、イベント業者、広告代理店に丸投げしているなど、せっかくの「知ってもらう」チャンスを無駄にしているように思えます。好景気の時は、広告宣伝費をかければ比例して売上も増えたかもしれませんが、不景気真っ只中の現在こうはうまくいきません。むしろ今かけている広告宣伝費を全額削っても売上は減らないかもしれませんよ。逆に、予算をかけずともお客様とのコミュニケーションを図れるのがSNSなのです。FACEBOOK、Twitter、いずれも無料です。 遠隔地の見込み客とのコミュニケーションも出来ます。

まずは知ってもらいましょう

知ってもらうことの重要性は前述しましたが、ジョハリの窓で考えると、「公開された自己」を大きくし、「誰からもまだ知られていない自己」を小さくすることが、円滑なコミュニケーションにつながります。「公開された自己」を大きくするための手段が、SNSやチラシ、TVCMなどです。では「誰からもまだ知られていない自己」、つまり自分も分かっていないことはどうやって知り得るのでしょうか。これは3C分析のCompany(自社)やSWOT分析の強みや弱みを分析することで分かってきます。ここで解明された自己は、「秘密の窓」ということになります。これを公開し、他人に分かってもらうことが重要なのです。また「盲点の窓」、これはどういうことか。自分には分かっていないが、他人には分かっていることです。例えば、企業で言うと、潜在的なクレームや開発時には想定していなかった商品の用途など。これはお客様アンケートやマーケティングリサーチを実施することで解明されます。解明すると、「盲点の窓」は「開放の窓」になり、「開放の窓」はどんどん大きくなり、ビジネスはしやすくなっていきます。しかし、SNSもTVCM、チラシなどはあくまでも知ってもらうための手段、真のコミュニケーションではありません。例えば、開店前に店の前を掃除し、近隣客に挨拶する、これも自分を知ってもらうための手段になります。最終的に目指すところは、「買ってくれ」と言わなくても、お客様が「買ってくれる」環境づくりなのです。